貿易用語集

【は】

バーゼル条約(Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazerdous Wastes and their Disposal)
国連環境計画が廃棄物処理を適正な能力のない国に依頼し、その結果受入れ国の環境が破壊されることのないよう国際的に協調して取組みを定めたもので、条約には、対象となる有害廃棄物を幅広く取り上げ、こうした廃棄物の輸入国等の事前了解、不適切な処理、処分が行われた場合の回収措置、その他の国際協力などが盛り込まれている。
排他的経済水域(Exclusive Economic Waters)
我が国の基線から、いずれの点をとっても我が国の基線上の最も近い点からの距離が200海里である線までの海域(領海を除く。)並びにその海底とその下のことである。沿岸国は、排他的経済水域内の生物資源及び非生物資源の探査、保存及び管理の目的のための主権的権利を有し、また、この水域のその他の経済的探査・開発のための活動(例えば、海水、海流及び風からのエネルギーの生産)に関する主権的権利を有し、また、沿岸国は、人工島、設備、構築物の設置及び利用、海洋の科学的調査、海洋環境の保護及び保全に関して管轄権を有している。
はいつけ(Stowage Plan)
荷崩れ防止、通風効果、積載効率、庫出しの便などを合理的に組み込んだ貨物積み付け法のこと。
はしけ(艀)(Barge)
本船と陸上の間の貨物運搬に従事する中小型の舟艇のこと。
バルキー貨物(Bulky Cargo)
体容積の大きな貨物のことで、かさ高貨物とも呼ばれる。
バルク貨物(Bulk Cargo)
穀物、塩、石炭、鉱石などのように粉粒体のまま包装せずに積み込まれるばら貨物のこと。
バンカー(Bunker)
船用燃料油
バンカー・サー・チャージ(Bunker Adjustment Factor=BAF)
船舶燃料の急激な変動に対処するために、基本運賃の何%、又は1フレート、トン当たりの燃料割増のことをいう。
搬入・搬出(Carry in(out))
貨物を保税地域に入れることを「搬入」、出すことを「搬出」という。
バンニング(Vanning)
コンテナに貨物を詰め込む作業のことで、一般的にはバンニングといい、逆にコンテナから貨物を引き出すことをデバンニングという。

【ひ】

引取申告(Declaration for Release of Goods)
簡易申告制度では、引取申告と納税申告の二段階申告方式となっており、その第一段階の輸入(引取)申告のことである。
非自由化品目(UnIiberalized Import Items(Goods))
輸入数量割当品目(IQ品目)の一つで、輸入が自由化されていない品目のこと。主な品目に近海魚(にしん、たら等)、及びたらこ(生鮮、塩蔵等)、帆立貝、貝柱及びいか(生鮮、冷蔵等)、食用海草がある。
評価申告書(Valuation Declaration)
輸入貨物の課税価格の決定に関係がある特殊事項について申告する際の申告書を評価申告書という。

【ふ】

フォームA(Form A)
特恵関税の適用を受けるために必要とされている原産地証明書の様式のことで、紙質、寸法、下地彩紋等が定められた国際的な様式である。
フォワーダー(Forwarder)
利用航空運送事業あるいは航空貨物混載業者のこと。
賦課課税方式(Official-Duty-Assessment System)
納付すべき税額がない(無税)か、また、あるならばその税額を決定するのがもっぱら税関長の課税処分によって確定するもので、税関が税額を計算して、その納付を納税義務者に求める方式のこと。
複合一貫輸送(Combined (Multimodal) Transport)
船舶、鉄道、自動車又は航空機など種類の異なる2以上の運送手段で行われる通し運送のこと。
ふ(艀)中扱い(Customs Clearance of Cargo aboard Barge)
輸出(入)貨物をはしけに積載したまま申告を行い、貨物について必要な検査を経て輸出(入)許可を受けることができる制度である。
不当廉売関税(Anti-dumping Duty)
いわゆるアンチダンピング関税であり、不当廉売品の輸入によって自国産業が損害を被ったときに課される割増関税のこと。
船積指図書(S/O)(Shipping Order)
荷主の船積申込書に従って船会社が現品を確認のうえ、輸送する船舶の船積責任者あてに発行する貨物積込指図書のことである。
船積書類(Shipping Documents)
船荷証券、保険証券、インボイス、包装明細書、原産地証明書等をいう。
不服申立て
関税法等の不服申立てには税関長に行う異議申立て、および財務大臣に行う審査請求の2種類がある。

【へ】

並行輸入(Parallel Importation)
輸入総代理店などが輸入品について国内で商標権を取得したり、また商標専用使用権を持っている場合に、輸入総代理店以外の者が第三国の商標権者の輸入総代理店又は商標権者より販売を受けた業者からその輸入品と同じ商品(真正商品)を輸入することをいう。
別送品(Unaccompained Baggage)
本邦に入国する者が外国で買ったり、もらったりした品物などのうち、旅行先から携帯品とは別に郵便や宅配便などを利用して送ったもの。別送品がある場合、携帯品の通関の際に「別送品申告書」を提出して、税関の確認を受けておく必要がある。

【ほ】

包括事前審査制度(輸出)(Prior Comprehensive Inspection System(Export))
輸出者が同一種類の貨物を継続して輸出する場合、あらかじめ包括的に税関の審査を受けておくことにより、個々の輸出申告の際の審査を簡略化する制度である。
包括審査制(輸入)(Prior Comprehensive Inspection System(Import))
同一当事者間で同一性の確認が容易な貨物を継続的に輸入する場合、初回の輸入申告時に包括審査を申請すれば、税関は適用税番等について、特別問題のない貨物は包括的な承認を行い、原則として個人の輸入申告の際の審査を簡略化する制度である。
包装明細書(Packing List)
インボイスの記載内容を補足するために、包装ごとの内容を記載した書類。
報復関税(Retaliatory Duty)
相手国が自国の生産品に対して不利益な差別関税を適用した場合、あるいは、自国の貿易又は産業に対し、不利益な措置をとった場合、これに対する報復手段として報復的に差別関税を課して、相手国の反省を促し、その不当な措置を改めさせようとするものである。
保険価額(Insured Value)
現行の貿易取引では、保険価額は積荷の積込原価、運賃及び保険料すなわちCIF価格に希望利益としてCIF価格の10%を加算して評価。保険金額も通常保険価額と同額で行われる。
保険期間(Duration of Coverage)
保険者の危険負担責任の存続期間すなわち保険者の責任の開始から終了までの期間をいう。英文保証証券に記載されているロンドン保険協会制定の貨物約款では、貨物が出荷地の倉庫又は保管場所を出てから、仕向地の荷受人その他の最終倉庫若しくは保管場所に引き渡されるまでとしている。しかし、荷卸し後60日を限度としており、最終倉庫に搬入されれば60日以内であっても保険期間はその日をもって終了し、また、最終倉庫に搬入されていなくても、荷卸し後60日を経過すれば保険期間は終了することになっている。
保税運送(Customs Transit)
外国貨物を開港、税関空港、税関官署及び他所蔵置の許可を受けた場所相互間に限り、外国貨物のまま運送すること。
保税工場(Hozei Manufacturing Warehouse)
外国貨物を加工、製造することができる場所として、税関長が申請に基づいて許可、設置する。
保税蔵置場(Hozei Warehouse)
外国貨物の積卸し、運搬又は蔵置することができる場所で、申請に基づいて税関長が許可して設置する。保税蔵置場に外国貨物を蔵置できる期間は、貨物の蔵置の承認がされたのち2年である。
保税地域(Hozei Area)
貨物の輸出入に伴う通関手続及びその他の税関手続を行う便宜のために設けられた場所であり、外国貨物を輸入手続未済の状態で、長期蔵置し、又は加工、製造、展示等をすることができる場所でもある。
保税展示場(Hozei Display Area)
貿易及び国際文化の交流の促進に寄与するために設けられたもので、国際的規模で開催される博覧会や見本市等に出品される外国貨物の展示、使用等が認められるものである。
本船扱い(Customs Clearance of Cargo abroard Ship)
輸出(入)貨物を本船に積載したまま輸出(入)申告を行い、必要な検査を経て、ただちに輸出(入)許可を受けることができる扱いである。