貿易用語集

【か】

外貨運送(Transport of Foreign Cargo)
外貨貨物の運送のことで、「保税運送」に同じ。
外貨作業(Foreign Cargo Working)
保税工場内での外国貨物に係わる作業のこで、「保税作業」に同じ。
開港(Open Port)
外国貿易のために開放された港で、貨物の輸出及び輸入並びに外国貿易船の入港及び出港その他の事情(例えば、港湾施設、後背地域の開発計画、後背産業の状況等)を勘案して定められた特定の港のことをいう。開港は外国貿易のために特に開放された港であり、不開港とは異なり外国の船舶が自由に入出港することができる港のことである。
外交官用免税(Duty Exemption for Diplomat)
我が国にある外国の大使館、公使館又は領事館その他これらに準ずる機関の公用品並びに我が国に派遣された大公使その他これらに準ずる使節及び外交官、領事その他政令で指定する職員並びにこれらの家族の自用品について、国際礼譲を考慮して相互条件により関税を免除する制度。
外航船等の積込免税(Duty Exemption for Good Loaded on Ocean Vessels)
酒類その他の指定物品の譲渡を行う事業者又は指定物品を保税地域から引き取る者が、本邦の外航船(これに準ずる遠洋漁業船等を含む。)又は本邦の国際航空機の船用品又は機用品として積み込むため、積み込もうとする港の所在地の所轄税関長の承認を受けた指定物品を譲渡し、又は保税地域から引き取る際には、当該外航船又は国際航空機への積込みを輸出又は外航の船舶若しくは航空機への積込みとみなして、消費税を免除する制度。
外国往来船(機)(Foreign Navigating Vessels(Aircrafts))
本来外国往来船(機)とはm「本邦と外国との間を往来する船舶又は航空機」をいい、外国貿易船(機)も含まれるが、これらの船舶又は航空機のうち外国貿易船(機)以外のものを通常「外国往来船(機)」又は単に「往来船(機)」と呼んでいる。
外国貨物(外貨)(Foreign Cargo)
輸出の許可を受けた貨物及び外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により公海で採捕された水産物を含む。)で輸入が許可される前のもの。輸出の許可を受けた貨物には、本邦で生産されたもの、外国から本邦に到着した貨物で、一旦、輸入された後再び外国に向けて送り出すため輸出の許可を受けたものも含まれる。外国から本邦に到着した貨物には、外国の船舶により公海及び排他的経済水域で採捕された水産物が含まれる。保税工場において外国貨物と内国貨物とをあわせて使用してできた製品は、その全部が外国から本邦に到着した外国貨物とみなされる。
外国為替(Foreign Exchange)
対外取引の決済を現金によらず他の方法(送金・手形・小切手)で決済すること。
外国為替及び外国貿易法(Foreign Exchange and Foreign Trade Law)
外国貿易の正常な発展を図り、国際収支の均衡及び通貨の安定を図るために必要な事項を定めた法律。
外国為替相場(Foreign Exchange Rate)
自国通貨を外国通貨又は外国通貨相互間の交換率のこと。為替銀行が為替を買う場合の相場を買相場で輸出業者に関係し、逆に売る場合の相場が売相場で輸入業者に関係する相場である。
外国通貨現金売相場(Cash Selling Rate)
仲値から1円マイナスしたレートであるTTBに更に2円マイナスしたレートのこと。顧客の外国通貨から円への現金交換に適用される。
外国通貨現金買相場(Cash Buying Rate)
仲値に1円プラスしたレートであるTTSに更に2円プラスしたレートのこと。顧客の円から外国通貨への現金交換に適用される。
外国の船舶
原則として外国の国籍を有する船舶をいう。ただし、外国の国籍を有しない船舶であっても、外国人又は外国の法人によって裸よう船されている場合等実質的に外国の国籍を有する船舶と同様に使用されているものは、外国の船舶に含まれる。
外国貿易機(Foreign Trading Aircraft)
外国貿易のため本邦と外国との間の往来船舶のこと。
外国貿易機(外貿船)(Foreign Trading Aircraft)
外国貿易のため本邦と外国との間を往来する船舶。外国貿易のため本邦と外国との間を往来するとは、関税法に規定する輸出又は輸入の対象となる貨物を運搬する場合も含まれる。
海上貨物通関情報処理システム(Sea-NACCS)(Sea-Nippon Automated Customs Clearance System)
税関、通関業者、銀行、構成労働省の検疫所、農林水酸省の植物検疫所・動物検疫所を結ぶ、海上貨物の通関処理を行うネットワークのことである。
海上保険(Marine Insurance)
船舶及びそれによって運送されている貨物を保険の目的とし、海上危険すなわち海難又は航海に関する事故によって生ずる損害をてん補する保険のことをいう。船舶保険と貨物保険に分けられる。
買付手数料(Buying Commission)
輸入貨物の購入に関し外国において買手の代わりに業務を行う者に対し買手が支払う手数料のこと。
海路運送(Inter Coast Transport(ICT)(Transport in bond by sea)
海路による保税運送のこと。
回路配置利用権(Circuit Layout Right)
半導体集積回路における回路素子及びこれらを接続する導線の配置(回路配置)を利用する権利。
価格条件(Price Terms)
価格の建て方、取引の通貨の決定する条件。貿易取引条件の一つで売主と買主は取引に際して、FOB、CIF条件といった価格の建て方及びどの国の通貨を使うか等の条件を取り決める。
学術研究用物品の免税(学免)(Duty Exemption for Goods for Scientific Research or Education)
学術研究用品に対する免税制度である。
加工貿易(Processing Trade)
原材料を輸入し、これに加工してその製品を輸出し、差額を収入とする貿易の形態。
過少申告加算税(Additional Tax for Deficient Declaration)
納税申告後、税関の調査により、納税申告が適正でないとして修正申告又は更正が行われたときに、当該修正申告等により増加した税額の10%に相当する額の税である。
課税価格(Value for Customs Duty)
課税標準となる価格のこと。我が国では、到着地価格(CIF)主義をとっている。
課税通知書(Duty Notification)
外国郵便物に対し関税及び内国消費税を課するために、その税額等を記入して郵便物の名宛人に送達する書類。賦課決定通知書とみなされる。
課税標準(Basic for Duty Assessment)
税額算定の基準となるべき課税物件の数量又は価格のこと。
課税物件(Object for Duty Assessment)
課税の目的となる物のこと。関税法上の課税物件は「輸入貨物」である。
貨物(Cargo)
関税法における貨物とは、有形的財貨で移動するものをいう。関税法上の輸入対象となる貨物は、外国から本邦に到着した貨物(外国の船舶により、公海並びに本邦及び外国の排他的経済水域の海域で採捕された水産物を含む)又は輸出の許可を受けた貨物である。
貨物の船(機)移し(Tranship)
外国貿易船等に積んでいる貨物を陸揚げすることなく(航空機の場合にあっては、一時的に税関が認めた場所に取卸しすることを含む。)他の外国貿易船等に移す(外国貿易機に移すことを含む。)こと。
貨物保険(Cargo Insurance)
海上保険の客体が貨物である場合の保険。CIF契約においては売主が、FOB又はC&F契約においては買主が保険会社と契約する。
仮陸揚(Temporary Landing)
① 外国貨物の積替えや荷繰の都合上または遭難その他やむを得ない偶発的事故によって、当初目的としている陸揚地以外の場所に一時陸揚げすること。
㈪ 船用品等を修繕や貯蔵のため一時陸揚げすること。
為替リスク(Exchange Risk)
為替相場の変動から生じるリスクのことで、輸出の場合、企業が外貨建てで貨物の輸出契約を締結すると、代金決済時に為替レートが円高になれば為替差損を受けることとなるが、円安になれば差益を得ることができる。輸入契約では、輸出契約と逆の効果が現れ、常に為替リスクにさらされている。
簡易運送(Transport in bond with simple Procedure)
外国貨物を運送する場合において、運送の距離が短いことその他税関長が取締上支障がないと認めたものについては、通常の1件ごとの保税運送手続によることなく、発送年月日、運送手段又は運送先の異るごとに一括して作成した簡易な運送申告書による運送が認められている。これを簡易運送という。
簡易申告制度(Simplified Customs Declaration System)
あらかじめ、いずれかの税関長の承認を受けている輸入者は、指定を受けた種類の貨物について、法令遵守の確保を条件に、引き取り申告と納税申告を分離し、納税申告の前に貨物を引き取ることを可能とする制度。
簡易税率(Simplified Duty Rate)
入国者の携帯品等に適用される特殊な税率。一般税率と異なり、関税及び内国消費税を統合した簡易な税率のことである。
看貫(かんかん)(Wieghing(Machine))
重量を計ること又は秤量器のこと。
関税(Custom Duty,Tariff)
国家が法律又は条約により輸入貨物に課し、原則としてその貨物を輸入する者から徴収する租税のこと。
関税鑑査官(Customs Duty Inspector)
輸入貨物に係る関税率表の解釈及び適用並びに輸出入貨物に係る統計品目表の分類についての調査及び研究並びにこれらに関連する事務を担当する課長相当職の専門官のこと。
関税暫定措置法(The Customs Temporary Measure Law)
我が国の関税制度は関税法及び関税定率法の2つの法律が根幹となって定められているが、産業経済の実情に即して暫定的、短期的に関税率及び関税の減免還付の制度について、関税定率法の特例として定めた法律である。
関税中央分析所(Central Customs Laboratory)
財務省の施設等機関で、輸出入貨物に関して高度の専門技術を必要とする理化学的分析を行うとともに、分析に必要な調査及び研究を行うところである。
関税定率法(The Customs Tariff Law)
関税の課税物件、税率、課税標準、減免その他関税制度について定めた法律。税率は同法別表に定められている。
関税等不服審査会(Customs and etc,Dissatisfaction Review Committeee)
関税法第92条の規定により、
① 関税等の確定・徴収に関する処分、滞納処分
② 風俗を害すべき物品に該当する旨に通知
に係る審査請求について財務大臣が裁決するにあたり、財務大臣の諮問に応じて調査及び審議するための機関。
関税の還付制度(Refundment System of Customs Duty)
関税暫定措置法には関税を納付して輸入した物品が特定用途に供された場合に、特定用途に供した者がその物品の関税を納付したものとみなし、その物品について納付された関税を還付する規定が置かれている。
関税分類(Tariff Classification)
輸入品の課されるべき関税率を知るために、その物品が関税率表上に列記されている品目の中のどの品目(所属区分)にあてはまるかを、同表に示されている品名(性質、形状、材質、寸法、機能、一般的用途などによる限定が付されているものが多い。)やルールなどに従って決定すること。品目分類ともいう。
関税法(The Customs Law)
関税の確定、納付、徴収及び還付並びに貨物の輸出入についての税関手続の適正な処理を図るために必要な事項を定めた法律。
関税ほ脱犯(Offense of Evation of Customs Duty)
詐欺その他不正の行為で関税を免れ又は払い戻しを受けたり、又は関税を納付しないで輸入する行為のこと。
関税率表(Customs Tsriff Schedules)
輸入品を一定の原則に従って品目別に分類し、それぞれの品目ごとに関税率を定めている表のこと。我が国の関税率表は商品の名称及び分類に関する統一システム(HS)に基づいている。
関税割当制度(Tariff Quota System)
一定の数量以内の輸入品に限り、無税又は低税率(一次税率)の関税を適用して、需要者に安価な輸入品の提供を確保する一方、この一定数量を超える輸入分については比較的高税率(二次税率)の関税を適用することによって国内生産者の保護を図る制度。TQ制度ともいう。
ガントリー・クレーン(Gantry Crane)
コンテナ荷役用クレーンのことをいい、本船が自装している場合もあるが、通常は岸壁に装置されている。

【き】

季節関税(Seasonal Duty)
輸入される時期によって適用する税率を異にする関税。バナナ、オレンジなどに適用されている。
記帳業務(Obligation of Entry)
保税地域において貨物を管理する者は、その管理する外国貨物または輸出しようとする貨物についての帳簿を設け、当該貨物の記号、番号、品名、数量、搬入年月日等、政令で定める事項を記載すること。
基本税率(General Rate of Duty)
日本が国内法によって定めている関税率(国定税率)のうち、関税定率法の別表に定められている税率で、特段の事情の変更がない限り、ある程度長期間適用される基本的な税率のこと。
逆委託加工貿易(Inverse Processing Deal Trade)
我が国の業者が委託加工貿易契約に基づいて外国の受託者に原材料を輸出し、これを外国で加工した後、その加工品を輸入する貿易方式をいう。
キャリアー
航空運送状を発行するもの及び当該航空運送状により貨物を運送するもの若しくは運送を引き受けるもの又は当該航空運送に付随するその他の業務を行うもの、それを引き受けるものである。通常は航空会社のことをいう。
ギャング(Gang)
荷役労務者の組又は班のこと。貨物の種類によってギャングの人員は変わるが、大体、1ギャング7〜8人である。
協定税率(Conventional Rate of Duty)
外国との条約に基づいて、特定品目について一定率以下の関税しか課さないことを約束(譲許)している関税率のこと。我が国には、WTOによるものだけがある。
業として通関業務を行う(Carry on the Customs Brokerage)
営利の目的をもって通関業務を反復継続して行い、又は反復継続して行う意思をもって行う場合を指す。
機用品(Aircraft’s Stores)
航空機において使用する貨物。船用品に準ずるものをいう。
虚偽申告犯(Offense of Declaration by fraud)
輸出入の申告又は検査に際し、偽った申告若しくは証明をし、又は偽った書類を提出した行為のこと。
緊急関税(Emergency Duty)
外国における価格の低落等予想されなかった事情の変化のため特定商品の輸入が急増し、このために国内産業に重大な損害を生じたり、又は生ずるおそれがある場合には、国内産業を保護するために課される割増関税のこと。
禁制品輸入犯(Offense of Smuggling Prohibited Articles)
関税定率法第21条第1項各号に掲げる貨物(麻薬、覚せい剤等、銃砲、貨幣の偽造品、わいせつ物品及び特許権等を侵害する物品)を税関の許可なく輸入する行為。

【く】

クーリエ・サービス(Courier Cargo Service)
これは書類や小型軽量貨物をDeck to Desk又はHand to Handで緊急に航空輸送するもので、料金はIATAの運賃体系と異なり、70Kgぐらいまでの小型貨物の重量を細分化し、発地から着地までの一切の費用はパック料金となっている。
蔵入(IS)(Import for Strage)
税関長の承認を受けて保税蔵置場に外国貨物を入れ又は置くこと。
蔵出輸入(ISW)(Import from Storage Warehouse)
保税蔵置場にある外国貨物を輸入すること。
クリーン信用状(Clean L/C)
信用状に基づいて振りだされる手形に担保物として船積書類を添付することを要求しないで、船積書類の添付がなくても手形の引受け、支払いが行われることを約している証券。この信用状は本支店間などの特別な場合を除いて商品代金の決済(貿易取引)に使用されることは少なく、運賃や保険関係の支払い及び第3者の借入金返済を裏付保証する場合の貿易外取引に使用されている。

【け】

軽減税率(Reduced Rate of Duty)
① 特定の用途に実際に供することを条件として他の用途に供するものより低い税率が定められている物品のうち、政令で指定するものに適用される当該低い税率を指す。この税率の適用を受けるには、定められた手続が必要である。
② 一般的に、一つの物品に対して二つ以上の税率が定められている場合に、低い方の税率を指す。
携帯品(Personal Effects)
旅客又は乗組員が携帯して輸出入(別送品を含む。)する物品のこと。衣類、化粧品、身辺装飾品その他本人の個人的使用に供することを目的とし、税関が適当と認めるものは、免税の対象となる。
検疫錨地(Anchorage for Quarantine)
外国から来航した船舶又は航空機は、「検疫法」によって、検疫を受けた後でなければ国内の港又は着陸場所に入れてはならないことになっている。この船舶が検疫を受けるための錨地のとこを指す。
減額更正(Reduced Reassessment)
過大に申告された税額を正しい税額に更正する税関長の処分。
検査場検査(Examination in the Examination Area(Spot))
輸出(入)貨物を税関の検査場に持ち込ませて行う検査のこと。輸出(入)貨物の検査はこの方法が原則とされている。
検査場所(Examination Place)
輸出入貨物の検査は、原則として税関長の指定した場所で受けなければならないこととされており、その指定された場所のことである。
原産地証明書(Certificate of Origin)
貨物の原産地(生産地又は製造地)を証明した公文書。輸入者が輸入貨物に関税が賦課される際に国定税率より低い協定税率の適用を受けるため、輸入国のダンピング防止や為替管理などに使用される。輸出者が作成し、輸出国の商工会議所、政府機関及び輸出国にある輸入国領事館で証明を受けることができる。
原産地表示(Indication of the Country in Origin)
特定商品の出所を表示し、その商品の出所又は品質を保証することを直接の目的とする標識のこと。
検数(Surveying)
輸出入貨物について、輸出入業者に代わってその商品の個数、重量、損傷度合い等を判定し、その証明を行う業務のことで、検数業務に従事する人を検数員といい、タリーマン、チェッカーとも呼ぶ。
減税(Duty Reduction)
輸入貨物に課される関税及び内国消費税について、法律に規定した一定条件に合致する場合に、その納税義務の一部を免除すること。
原則的納税義務者
関税の原則的な納税義務者は、貨物を輸入するものであり、この場合の貨物を輸入する者とは、実質的に輸入の効果が帰属する者をいい、通常の手続きにより輸入される貨物については、原則として仕入書(仕入書がない場合は船荷証券)に記載されている荷受人をいうが、貨物が輸入申告前に保税地域等において転売されたような場合には、その転得者が納税義務者となる。
限定申告者(Limited Declarant)
関税定率法又は関税暫定措置法の規定により関税の軽減又は免除を受ける場合、あるいは他法令の規定による場合等に、法令上輸入申告者が限定されており、この限定された輸入申告者のこと。
現場検査(Examination on-the-spot)
税関職員が貨物の蔵置場所に出向いて行う検査。税関の検査場への搬入が困難な貨物等について、この方法により検査が行われる。
現場収容(Custody on-the-spot)
保税地域にある貨物を、税関の収容倉庫に持ってくることなく、その置かれている場所で収容処分に付することを指す。

【こ】

航空貨物通関情報処理システム(Air-NACCS)(Air-Nippon Automated Customs Clearance System)
税関、通関業者、銀行、航空会社、航空貨物代理店、航空貨物フォワーダー、保税蔵置場業者を結ぶ航空貨物の通関処理を行うネットワークのこと。
口座振替納税(Duty payment through electronic funds transfer)
NACCSでは関税等の納税を、NACCSに参加している銀行に専用口座を開設することにより自動引落しで行うことができる。
更正(Revision)
納税義務者から納税申告があった場合において、その申告に係る税額等の計算が関税に関する法律の規定に従っていなかったとき、その他税額等が税関長の調査したところと異なっているときに、課税の適正及び充実を期する見地から、これを変更するために行われる処分である。この処分に不服がある場合、不服申立て又は訴訟の提起ができる。
更正の請求(Request for Revision)
納税申告をした者がその申告にかかる税額が過大であることを知った場合、税関長に対して当該申告に係る税額等の減額変更を求めるために認められるものである。更正請求ができるのは、納税申告に係る貨物の輸入の許可があるまで又は貨物の輸入の許可の日から1年以内に限られる。
口頭申告(Oral Declaration)
旅客又は乗組員が出入国するに際し、税関の旅具検査を受けるに当っては、原則として、書面による申告を必要とせず、口頭による申告をもって携帯品等の通関を行うことが可能である。
港湾運送事業(Port Industry)
荷主又は船舶運行事業者の委託を受け、港において海上運送に先行し又は後続して貨物の船積み、陸揚げ、荷さばき等を行うもの。港湾運送事業法により事業の免許・指導が行なわれ、種類として一般港湾運送、船内荷役、はしけ運送、沿岸荷役、いかだ運送、検数、鑑定、検量の8事業がある。
国際統一商品分類システム(商品の名称及び分類についての統一システム)(Harmonized Commodity Description and Coding System(HS))
1983年関税協力理事会によりCCCNを母体として完成された国際的な商品分類表のことである。関税率の設定や貿易統計のみでなく、貿易のための運輸、保険、荷役等さらには国際間データ伝送への利用をも目指して開発され、1998年までの加盟国は94ヶ国1地域(EU)である。
国際複合一貫輸送(International Combined(Multimodal) Transport)
複合運送人が物品をその管理下において、一国のある場所から、荷渡しのために指定された他国のある場所までの複合運送契約に基づく、少なくとも2つの異なった運送方法による運送することである。
国定税率(Statutory Tariff)
ある国が自国の国内法によって定めている関税率のこと。日本では基本税率、暫定税率、特恵税率及び便益関税がある。
故障付船荷証券(Foul(Dirty)B/L)
船荷証券面に船積みした貨物及び/又は包装、数量その他について何らの故障摘要が記載されている船荷証券のこと。現行の荷為替決済では、為替銀行は故障付船荷証券の買い取りを拒絶することから、本船受取書やドックレシートに故障摘要が記載された場合には、荷送人は直ちに補償状を船会社に提出して、故障付船荷証券の代わりに無故障船荷証券を発行してもらうこととなる。
個人輸入(Personal Import)
外国の製品を自らの用に供するために通常の流通チャンネルを経由せず、あるいはこれを大幅に短縮して海外の通信販売会社、小売店、メーカーなどから直接輸入することである。

個人輸入の形態には、次の方法がある。
① 輸入者自身が、購入したい品物を直接、外国の通信販売業者等に注文して、そこから直接輸入する方法
② 輸入代行業者に注文して、その輸入代行業者を通じて輸入する方法
③ 国際郵便小包を利用する方法
④ 国際宅配便業者に依頼する方法
⑤ 一般貨物として、船便・航空便を利用する方法
コルレス契約(Correspondent Agreement)
金融機関がほかの金融機関に実質的に支店業務として代行してもらうために交わす取引契約のことで、コルレス契約では、商業信用状取立手形、送金等についての決済勘定、事務処理方法、取引に伴う信用授受等を取決め、これらに基づいて、為替取引が行われる。
混載貨物(Consolidated Cargo)
輸送の一単位(貨物、トラック、コンテナ、パレット等)を構成するに足らない小口貨物(LCLCargo)を集めて、一つの輸送単位となっている状態または貨物を指す。
コンサイニー(Consignee)
荷受入のこと
コンテナ(Container)
貨物のユニット化を目的とする輸送容器で、鉄製、アルミ製又はFPRで作られており、陸・海・空のおのおの異なった運送機関に共通に使用でき、用途に応じた強度を備え、反復使用に耐えるものであり、戸口から戸口への一貫輸送を可能にする輸送容器のことである。コンテナのサイズは、ISOの規格で、8×8×29(20フィートコンテナ)及び8×8×40(40フィートコンテナ)が一般的であるが、最近は高さを8.6にしたものも多い。コンテナの種類は、使用目的によって、乾燥貨物用コンテナ、断熱コンテナ、冷凍コンテナ、保冷コンテナ、通風コンテナなどがある。荷作りを簡素化でき、盗難の危険も少なく、梱包、荷さばき上の経費節減に役立つほか、複合運送によるスピード化が可能となる。
コンテナ扱(Customs Clearance of Cargo in Freight-Container)
貨物をコンテナに詰めたままの状態で通関(輸出入申告〜許可まで)する取扱いのことである。
コンテナ船(Container Vessel)
海上輸送の信頼性、簡便性、迅速性、経済性、一貫性などの観点から生まれたコンテナ輸送のための船舶のことで、フルコンテナ船とセミコンテナ船に大別される。雨風に強く機密性の高い箱であるコンテナ(8×8×20、8×8×40)だけを積載する専用船をフルコンテナ船という。この船は、強力LO/LO方式の荷役装置付きのコンテナ専用岸壁に寄港させるため、本船に荷役設備が不要となりスケールメリットがだせる。
コンテナ貨物(Containerizable Cargo)
コンテナ単位で発送される大口貨物のことで、通常、荷主の責任で工場若しくは海貨業者の保税蔵置場でコンテナ詰めされる。
コンナシール(Container Seal)
コンテナ詰めの時に施封する番号の付いたシールのこと。税関検査のため開封された場合は、税関によって再施封される。
コンテナ・ターミナル(Container Terminal)
海陸の接点として、また全輸送体系の要として、コンテナ船の動静、集荷情報、陸上運送やフレイト・ステーションでの作業の進捗状況、コンテナの需給、動静、荷受、受渡予定等あらゆるデータを常に把握している施設のことである。
コンテナ内積付表(CLP)(Container Load Plan)
コンテナに詰まれた貨物の明細及び情報(引渡の形態、冷凍貨物であればコンテナ内の指定温度等)を記載する書類で、コンテナ1個ごとに当該貨物を積込んだ者、FCLでは荷主又はその代理人、LCLではCFSオペレータによって作成される。また、コンテナヤードに実入り(貨物入り)コンテナを搬入する際、CLPをオペレータに提出しなければならない。